ニコン1シリーズの廃版に備えて、ユーザーが揃えるべき機材

初代ニコン1 V1 ニコンの新型ミラーレスの登場が、いよいよ近づいています。

 スマートフォンの進化により、デジタルカメラ全体が高機能・高画質へとシフトしている中、レンズ交換式カメラとしては比較的イメージセンサーの小さいNikon1シリーズは、厳しい戦いを強いられてきました。

 1インチサイズだからこそ可能となる高速連写性や、動画と静止画との融和といった「新しいイメージ機器の姿」を提示してきたものの、残念ながら市場の中で新たな波をつくりだすことができませんでした。

 さらに、APS-Cサイズやフルサイズなどの大型イメージセンサー搭載機でも機能の進化が進んだ中で、「Nikon 1シリーズにしかできないこと」が希薄化していったことも、大きく影響したのだと思います。

 ニコンは従前より、デジタル一眼レフからミラーレスカメラへの移行に備えた「プロ仕様」のミラーレスカメラも検討してきており、元々の計画ではニコン1シリーズと並行しての展開を想定していたように思います(参考記事:フルサイズに舵を切ったニコン ~新型ミラーレスカメラを開発中)が、企業としての体力を考えると、短期間の間に新型ミラーレスへの切替を進めていくものと思われます。

 最後のJ5が発売されたのは2015年4月であることや、ニコン1シリーズの取扱店舗が急減している現状からも、いよいよ終焉の時を迎えようとしていることがうかがえます(参考記事:ニコン1シリーズ~いよいよ終焉か?)。

 しかし、そのことは、Nikon 1シリーズに満足しているユーザーにとっては、ラインナップを充実・強化する最後のチャンスが到来しつつあることを意味します。

 この記事では、近づきつつある終焉に備えて、既存Nikon 1ユーザーが揃えるべき機材についてまとめています。

 なお、これまで購入タイミングをうかがってきた方にとっても参考になるように整理してみました。

 (参考記事:Nikon 1シリーズ:全11機種の比較~「その日」に備えて




ボディの揃え方

 現在、新品で購入できるカメラボディは、V3、J5、AW1の3機種に留まります。

 このうち、V3については、すでにメーカーでの出荷は終了していますので、店頭在庫のみとなります。

 また、J5についても、シルバーモデルのダブルズームレンズキット以外は、旧製品扱いとなっています。

 さらに、AW1はブラックタイプのボディ単体のみが、現行製品扱いとなっています。

 (参考記事:V3レビュー AW1レビュー

 以上を整理すると、

機種名 販売形態 在庫状況 実売価格
V3 プレミアムレンズキット ほぼ無し。
標準パワーズームレンズキット ○(店頭在庫) 5万円弱
J5 ダブルズームレンズキット シルバー:◎
ブラック:○(店頭在庫)
シルバー:5万円前後
ブラック:7万円前後
ダブルレンズキット シルバー:○(店頭在庫)
ブラック:○(店頭在庫)
5万円弱
標準パワーズームレンズキット シルバー:△(店頭在庫)
ブラック:△(店頭在庫)
4万円台
AW1 防水ズームレンズキット シルバー:△(店頭在庫)
ブラック:△(店頭在庫)
シルバー:4万円台
ブラック:8万円前後
ボディ単体(ブラック) ○(店頭在庫) 5万円台

 在庫状況を考えると、

  • V3標準パワーズームレンズキット(10-30mm PD-ZOOM)
  • J5ダブルズームレンズキット(10-30mm PD-ZOOM、30-110mm)
  • J5ダブルレンズキット(10-30mm PD-ZOOM、18.5mm)

 の中からの選択となりますが、J5ダブルズームレンズキットのブラックモデルはシルバーモデルよりも価格が高くなっていることに注意が必要です。

V3とJ5の選び方

V3 J5
メリット
  • メカニカルシャッターを搭載
  • 電子ビューファインダーの装着が可能
  • 外付フラッシュに対応
  • 40枚以上の連続撮影可能枚数
  • 4K動画撮影も可能
  • 最新画像処理エンジンEXPEED 5Aを搭載
  • 有効2081万画素のイメージセンサー
  • Wi-FiとNFCを搭載
デメリット
  • 4K動画撮影には非対応
  • 画像処理エンジンはEXPEED 4Aを搭載
  • 有効1839万画素のイメージセンサー
  • Wi-Fiのみ搭載
  • 電子シャッターのみ
  • 電子ビューファインダーには非対応
  • 外付フラッシュには非対応
  • 20枚以上の連続撮影可能枚数

 ボディ選択の考え方としては、次のようなポイントがあります。

  • これからレンズも揃えるのであれば、ダブルズームレンズキットのあるJ5。
  • 少しでも高い描写性能を重視するのであれば、画像処理エンジンとイメージセンサーが新しいJ5。
  • 4K動画の撮影が必要であれば、J5。
  • 少しでも小型軽量なボディが必要であれば、J5。
  • シルバーボディが良ければ、J5。
  • より高い連写性能を重視するなら、V3。
  • 超望遠撮影や極めて明るい屋外の撮影など、電子ビューファインダーの装着を考えているなら、V3。
  • 高速で動く被写体を撮影するなら、メカニカルシャッターも搭載しているV3。




揃えるべきレンズとアクセサリー

 電動タイプでない10-30mm標準ズームレンズや11-27.5mm標準ズームレンズなど、すでにメーカー在庫が払底しているレンズも出始めています。

 レンズ以外でも、LEDライトLD-1000やV3用の電子ビューファインダーDF-N1000など、店頭在庫のみとなっているアクセサリーもあります。

 一部のレンズ、アクセサリーの中には実売価格の上昇が見られるものもあり、必要なレンズ・アクセサリーは早めに揃える必要があります。

レンズ編

必ず揃えることを推奨するレンズ

1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 PD-ZOOM(レビュー記事)
35mm換算で27-87mmの画角をカバーする標準ズーム。電動ズーム機構のため薄型コンパクトです。レンズキットには付属しています。
1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6(レビュー記事)
35mm換算で87-300mmの画角をカバーする望遠ズーム。描写性能も高く、ズーム域の割にコンパクトです。ダブルズームキットに付属します。
1 NIKKOR VR 6.7-13mm f/3.5-5.6
35mm換算で18-35mmの画角をカバーする広角ズームです。1シリーズ専用では唯一無二のレンズです。やや高価ですが、描写性能も極めて高く、必須レンズだと思います。
1 NIKKOR 18.5mm f/1.8(レビュー記事)
1シリーズでは明るいレンズのラインナップが弱く、50mm相当F1.8の標準レンズは鞄に入れておきたいレンズです。ダブルレンズキットにも付属していますが、価格も比較的安いので、お勧めです。

あると便利なレンズ

1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6(レビュー記事)
27-270mm相当の画角をカバーする高倍率ズームです。望遠域は30-110mmの方が僅かに描写力は高いものの、このレンズも十二分なレベルです。小型軽量で便利ですので、旅行等にはお勧めです。
1 NIKKOR 10mm f/2.8(レビュー記事)
27mm相当の薄型レンズです。手ぶれ補正機能は搭載していませんが、レンズカバーとして装着しておけるレンズです。以前のレンズキットには同梱されていることも多かったのですが、最近はちょっと入手しづらくなっているようです。
1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6(レビュー記事)
以前のズームレンズキットに付属していたレンズで、新品での入手は難しくなっています。現行の電動ズームと比べると大きいものの、ズーム操作が手動でできるため、静止画撮影ではこちらの方が使い勝手が良いかもしれません。なお、リコール対象になっていますので、対策品でない場合にはニコンのホームページを確認してください。

余裕があれば揃えるべきレンズ

1 NIKKOR 11-27.5mm f/3.5-5.6(レビュー記事)
現行の10-30mm PD-ZOOMよりも画角が狭く、手ぶれ補正にも対応していませんが、薄型であるとともに手動ズーム操作が可能なため、操作性は良いと思います。このレンズも入手が難しくなりつつありますので、検討される方は早めに対応されることをお勧めします。
1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6
189-870mm相当の画角をカバーする超望遠ズームレンズです。液晶モニターでの撮影はちょっと大変かもしれませんが、唯一無二のレンズです。なお、マウントアダプターFT1にFマウント用望遠ズームを装着しても同等の画角となりますが、サイズが大きく・重くなるだけでなく解像力の点でもNikon1シリーズ専用レンズの方が勝っています。
1 NIKKOR 32mm f/1.2
86mm相当F1.2の大口径レンズです。価格は高く、サイズも大きいですが、極めて高い描写性能を持っており、予算に余裕があれば揃えておきたいレンズです。

アクセサリー編

マウントアダプターFT1
1シリーズ専用レンズのラインアップを補う上でも、揃えておくべきアクセサリーです。Fマウント用レンズの中には対応していないものがあることや、描写性能は専用レンズの方が勝っている場合が多いことには留意しておく必要があります。
電子ビューファインダーDF-N1000
V3を持っているのであれば、必須アクセサリーとなります。すでに新品での入手は難しくなっていますが、望遠域での撮影などでは威力を発揮します。