ニコン1シリーズ~いよいよ終焉か?

 2011年11月に登場したニコンのミラーレスカメラ「Nikon 1 シリーズ」も、残念ながら、いよいよ終焉が近づいてきたようです。

 ニコン1シリーズの最新作である「J5」が登場したのが2015年4月であり、すでに2年半以上も新製品が登場していないことを見ても、終わりが近づいていることを物語っていますが、これまではコストパフォーマンスの高さもあり、市場においてはそれなりの存在感を示していました。

 しかし、V3の生産終了が公表された頃から、Nikon 1を取り扱う店舗数も急速に減ってきており、カメラ売り場に立つだけで近づきつつある終焉を実感します。

 ここでは「価格コム」のデータをもとに、現状を見てみたいと思います。




ニコン1シリーズの取扱店舗数は、他社の1/5?

 カメラを購入するとき、ネット上で価格比較ができる「価格コム」をチェックする方は、決して少なくないと思います。

 価格コムのプライスは、ネット通販における一つの基準となっているだけでなく、量販店などの実店舗でも参考値として扱われています。

 まず、価格コムに掲載されている製品種類数をメーカー別に比べると、次の通りとなります。

メーカー
オリンパス
キヤノン
ソニー
ニコン
パナソニック
富士通
製品種類
33
35
29
11
28
31

 ここでは、販売形態が異なるものは別製品として扱っており、たとえば「ボディのみ」「ズームレンズキット」の2つの形態でパッケージ化されている製品は2種類としてカウントしました。

 登録製品種類をみると、他社が概ね30前後の種類の製品が販売されているのに対し、ニコン1シリーズは11製品にとどまっており、そもそも製品種類自体が少ないことを示しています。

 このことも厳しい状況を示していますが、注意が必要なのは、取扱店舗数ではさらに差が拡大している点です。

 上記の表は、ある製品を取り扱っている店舗が1店舗しかなかったとしても1種類として取り扱っていますが、当然ながら70店舗に置かれている製品と1店舗でしか取り扱われていない製品とでは、存在感はまったく異なります。

 その違いを数値で示すために、価格コムに登録している各店舗が各々取り扱っている製品種類を合計したのが、次の表です。

メーカー
オリンパス
キヤノン
ソニー
ニコン
パナソニック
富士通
累積製品種類
676
1,049
898
141
702
696

 これを見ると、ニコンの累積製品種類は141であるのに対し、他社は概ね700前後とニコンの5倍の製品種類が登録されており、一番多いキヤノンに至ってはニコンの7倍以上となっています。




ニコン1シリーズの店頭在庫は、他社の1/10?

 決定的なのは、各店舗の在庫金額ではさらに差が拡がっているという点です。

 仮に、製品ごとに持つ在庫数が同じであると仮定すると、価格コムに登録されている店舗の在庫金額(販売額)の合計は、

 「取扱店舗数」×「平均単価

 で求めることができます。

 計算を簡略化するために、価格コムで登録されている最安値で全店舗が販売されていると仮定すると、メーカーごとの在庫金額は次の通りとなります。

メーカー
オリンパス
キヤノン
ソニー
ニコン
パナソニック
富士通
在庫金額指数
65,705
78,516
130,713
6,702
70,230
83,715

 単純計算では、ニコンの店頭在庫金額は他社の1/10前後、一番多いソニーの1/20程度にとどまっており、店頭での存在感はゼロに近づいていると言わざるを得ません。

 ニコンは新たなミラーレスを開発していることを表明してきました。(「フルサイズに舵を切ったニコン ~新型ミラーレスカメラを開発中」

 ニコン1シリーズのコンセプトは他社製品にはないものであり、市場からの退場をとても残念に思います。

 とくにJ5やV3などは製品としての完成度も高く、購入を検討されているのであれば一日も早い決断を強くお勧めします