実機レビュー キヤノン PowerShot G1X Mark3 ~これ1台で十分?

Canon PowerShot G1X Mark3
Canon PowerShot G1X Mark3
 11月下旬の発売に先立ち、キヤノンのショールームではPowerShot G1X MarkIIIの実機が展示されています。

 展示されているのは試作機のため、撮影したデータの持ち帰りはできませんでしたが、メニュー画面を含めた操作はすべて行うことができました。

 完成度は極めて高く、ほぼ市販製品と同等レベルに仕上がっていると思います。

 小一時間にわたって実機を操作した私の結論は、「素晴らしい!」の一言です。

 小型軽量なボディに、高速オートフォーカスや連写性能、防塵防滴ボディなど、PowerShot G1X Mk3が1台あれば、ほとんどの撮影シーンに対応できると感じました。

 描写性能については、現時点では推測レベルですが、APS-Cサイズの大型イメージセンサーに、15-45mmF2.8-5.6のレンズということで、EOS M5にキットレンズで得られる画像と同等以上になると思われます。

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キヤノン品川サービスステーションで実機チェック

キヤノンプラザS(品川):10月26日

 10月26日、キヤノン品川サービスステーションに展示されているPowerShot G1X MarkIIIの実機をチェックしました。

 キヤノンは、「パーソナル向け」、「オフィス向け」、「プロダクション向け」の3種類のショールームを運営しています。

 カメラやプリンターなどのパーソナル製品は、「パーソナル向け」のショールームに展示しており、品川、銀座、名古屋、大阪の4つのショールームで見ることができます。

 PowerShot G1X Mark3などの発売前製品も先行展示されていますので、購入を検討される方にとってはうれしいサービスです。

ボディ外観

Canon PowerShot G1X Mark3 ボディ正面

Canon PowerShot G1X Mark3 ボディ正面

 PowerShot G1X Mark2では箱形のボディデザインでしたが、Mark3では典型的な一眼レフデザインとなっています。

 カメラボディ中央には、フラッシュを内蔵した電子ビューファインダー部が置かれており、その下に大型の沈胴式レンズが組み込まれています。

 Mark2では自動開閉式のレンズカバーが内蔵されていましたが、Mark3では一般的な交換レンズと同様に、取り外し式のレンズキャップ方式となります。

 搭載されているレンズは15-45mmF2.8-5.6で、Mark2の12.5-62.5mmF2.0-3.9と比べると概ね1段分暗いレンズとなります。

 しかし、Mk3に搭載されているイメージセンサーはAPS-Cサイズであり、1.5型のMk2よりも40%程度大型化されていることを考えると、単純に比較することはできません。

 たとえば、APS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したEOS M5にキット化されている標準ズームレンズは、15-45mmF3.5-6.3ですので、Mk3に搭載されているレンズは、むしろ明るいと言えるかもしれません。

 なお、レンズ銘に「IS」と入っているように、手ぶれ補正機構はレンズ内に組み込まれています。

Canon PowerShot G1X Mark3 ボディ背面

Canon PowerShot G1X Mark3 ボディ背面

 ボディ背面側のインターフェースは、PowerShotシリーズやEOS Mシリーズで採用されているものを踏襲しています。

 デジタルカメラの進化がすすむ中で、こうしたインターフェース部もメーカーを超えてパターン化・標準化しているように思います。

 電子ビューファインダーの接眼部はカメラ中央部にあり、液晶モニターとともにレンズ光軸上に置かれています。

 接眼部の右側にはアイセンサーが、左側には視度補正ダイヤルが付けられています。

 液晶モニターの左側には、バリアングル可動軸が見えます。

Canon PowerShot G1X Mark3 ボディ上面

Canon PowerShot G1X Mark3 ボディ上面

 ボディ上面のレイアウトは、ミラーレスカメラEOS M5に準じています。

 左側にはモードダイヤルが置かれており、中央部にはロック解除ボタンも設置されています。

 右側には露出補正ダイヤルがあるため、ファインダーをのぞきながら露出補正が可能です。

 電子ビューファインダーでは、露出補正の効果を直接確認することができますので、使い勝手の向上に繋がっています。

 シャッターボタンと同軸にズームレバーが設置されています。

 また、電子ビューファインダー上部にはアクセサリーシューが設けられていますので、EOS用のフラッシュ等の装着も可能です。

Canon PowerShot G1X Mark3 広角端

Canon PowerShot G1X Mark3 広角端

 PowerShot G1X Mark3に搭載されているズームレンズは沈胴式のため、電源オフ状態ではボディ内に格納されています。

 電源を入れると、自動的にレンズ長が伸長し、撮影が可能になります。

 この写真は15.0mm広角端の状態で、この時のレンズ長が最短となります。

 ズーム操作は電動式となりますので、このあたりは好き好きがでるところかもしれません。

 なお、レンズ基部にあるスムーズリングでのズーミング操作も可能です。

Canon PowerShot G1X Mark3 望遠端

Canon PowerShot G1X Mark3 望遠端

 同じく、撮影可能状態のボディですが、この写真は45mm望遠端にした時のものです。

 このカメラに搭載されているレンズは、ズーム操作によるレンズ長の変化はあまりありませんが、望遠端の時が一番長くなります。

 電動ズームでは、ズーム機構部に無理な力がかかりづらく、安定的なズーム操作が可能であるとともに、片手でズーミングできるというメリットがありますが、他方で直感的な操作という点では手動方式の方に分があるかもしれません。

 他社を含め、レンズ一体型カメラでは、ほとんどのものが電動式のズーム機構となっています。

Canon PowerShot G1X Mark3 ボディ下面

Canon PowerShot G1X Mark3 ボディ下面

 PowerShot G1x Mark3のボディ下面です。

 左側にはバッテリーとメモリーカードの収納部のカバーが置かれています。

 なお、中央部には三脚用の穴が設置されていますが、レンズ光軸からはシフトしているのがわかります。

 三脚用穴はレンズ光軸上にある方が撮影面ではメリットがありますが、おそらく沈胴時のレンズ基部との干渉を避けたのだと思われます。

 このアングルから見ると、意外にグリップ部分が大きく張り出していることがわかります。

 ボディが軽量ですが、安定的な姿勢でぶれのない写真を撮るためにも、しっかりと保持できることは重要です。

 写真ではわかりづらいですが、赤いラベルシールの上に「Nマーク」が刻印されており、この部分にNFCのアンテナ部が内蔵されています。

Canon PowerShot G1X Mark3 液晶モニター

Canon PowerShot G1X Mark3 液晶モニター

 液晶モニターは3型104万ドットのパネルとなります。

 タッチ操作にも対応しており、画面のアスペクト比は4:3です。

 カメラによっては3:2のアスペクト比の液晶パネルを搭載しているものもありますが、静止画撮影が主体のデジタルカメラでは、イメージセンサーと同じ4:3のアスペクト比の液晶パネルの方が、撮影画像をより大きく表示できるため、適していると思います。

 液晶モニターにはシャッタースピードや露出、ISO感度などの情報を表示させることができます。

 このあたりのインターフェースも、メーカーを超えて収束しつつあるように思います。

Canon PowerShot G1X Mark3 バリアングル液晶

Canon PowerShot G1X Mark3 バリアングル液晶

 PowerShot G1X Mark3の液晶モニターは2軸方式のバリアングル可動に対応しています。

 可動軸が横にあるため、上下に可動させる場合には横に出してから動かすことになります。

 この方式はボディの高さを低くできるメリットがありますが、他方でカメラを横に構えた状態で液晶モニターを可動させる時には、ちょっと使いづらさを感じるかもしれません。

 液晶モニターのパネルはTFT方式となっているため、視野角はやや狭くなります。

 そのため、撮影時にはしっかりと液晶面に対面させる必要があります。

 カメラのポジションを考えると、できれば視野角の広い有機EL等のパネルを採用してあればと思います。

Canon PowerShot G1X Mark3 外部接続端子

Canon PowerShot G1X Mark3 外部接続端子

 カメラ本体は防塵防滴性能があり、端子部分はゴム製の柔軟なカバーによって保護されています。

 端子は、上から「リモコン端子」、「DIGITAL(デジタル)端子」、「HDMI端子」となります。

 デジタル端子はUSB規格のもので、ボディ内で充電をするときにも使用します。

 なお、外部マイク入力端子は搭載されていません。

 外部接続端子の下側には、Wi-Fiボタンが設置されています。

Canon PowerShot G1X Mark3 レンズ先端

Canon PowerShot G1X Mark3 レンズ先端

 PowerShot G1X Mark3のレンズ先端部の写真です。

 レンズ先端にはネジ溝がきられており、純正のレンズフード「LH-DC110」の装着が可能となっています。

 ここには、37mm径のレンズフィルターの装着も可能です。

 フードは花形ではありませんが、フレアやゴーストの抑制に効果があるとともに、レンズ面の保護にも役立ちますので、できれば用意したいオプションです。

 フードを装着したまま、レンズを沈胴させることも可能です。

 また、フード先端は49mm径となっていますので、対応したレンズキャップ等も装着できますが、フードには専用のレンズキャップも同梱されています。

Canon PowerShot G1X Mark3 ボディ上部

Canon PowerShot G1X Mark3 ボディ上部

 カメラ本体を前方上方から写したものです。

 デザインテイストはEOS M5に似ており、典型的な一眼レフのデザインが採用されています。

 歴代のPowerShot G1Xでは、箱形のボディ形状に外付電子ビューファインダーという構造でしたので、デザイン的には三代目で大きく変わったと言えます。

 ファインダー部の両側にあるのはステレオマイクです。

 上記にも記載しましたが、マイクの外部入力端子は設けられていないため、音声入力はこのステレオマイクを使うことになります。

Canon PowerShot G1X Mark3 内蔵フラッシュ

Canon PowerShot G1X Mark3 内蔵フラッシュ

 ボディ上部の内蔵フラッシュをポップアップさせたものです。

 撮影モードによっては自動的にポップアップさせることも可能ですが、両側にあるつまみを使って手で起こすことも可能です。

 広角端では最大9m、望遠端では4.5mまで照射が可能です。

 照射面はそれほど高くはありませんが、レンズサイズを考えると、広角端でもけられることはないと思われます。

 Canonのロゴは刻印されており、白いインクで着色されています。

Canon PowerShot G1X Mark3 モードダイヤル

Canon PowerShot G1X Mark3 モードダイヤル

 ボディの左肩にはモードダイヤルが設置されています。

 モード設定はそれほど頻繁に使うものではありませんが、ダイレクトに撮影モードを視認できますので、あると便利なダイヤルだと思います。

 ダイヤルの中央部にはロック解除ボタンが内蔵されていますので、不用意に撮影モードが切り替わることが防止できます。

 このあたりは、デジタル一眼レフでも中級機以上に備えられる機能となります。

 ボディ前面側にはランプがあり、タイマー撮影時などに表示します。

Canon PowerShot G1X Mark3 シャッターボタン周辺

Canon PowerShot G1X Mark3 シャッターボタン周辺

 ボディ右側の部分です。

 大型の露出補正ボタンが設置されており、プラスマイナス3段までの露出補正を直接行うことができます。

 シャッターボタンの同軸には、ズームレバーが設置されており、その後には電源ボタンが置かれています。

 こちら側のボディ前面には、電子ダイヤルが置かれています。

 ボディ重量が軽量のためか、ストラップ取付部は三角環方式ではありません。

Canon PowerShot G1X Mark3 コントロール部

Canon PowerShot G1X Mark3 コントロール部

 液晶部右側にあるメインコントロール部です。

 インターフェース自体は、PowerShotシリーズで採用されているものを踏襲しています。

 中央にある円形操作部の外側にはホイールダイヤルが設置されています。

 ホイールボタンの内側にあるボタンで、ドライブモードやISO感度などの変更をダイレクトに行うことが可能となっています。

 再生ボタンの上にあるランプは、ボディ内で充電している時などの点灯します。

Canon PowerShot G1X Mark3 バッテリー室

Canon PowerShot G1X Mark3 バッテリー室

 ボディ底面にあるバッテリー室のカバーを開いた状態です。

 とくにパッキン等は埋め込まれていませんが、防塵防滴性能に対応しています。

 ボディ前面側にバッテリーNB-13Lを、液晶面側にSDメモリーカードが入ります。

 メモリーカードは標準タイプのSDカードに対応しており、ラベル面が前方を向く方向で挿入します。

 バッテリーはG9 X Mark IIやG7 X Mark IIなどでも採用されたもので、容量は1250mAhです。

 ファインダー表示時には200枚、エコモードでは250枚の撮影が可能となっています。

Canon PowerShot G1X Mark3 液晶モニター保護

Canon PowerShot G1X Mark3 液晶モニター保護

 液晶モニターを反転させた状態です。

 PowerShot G1X Mark3の液晶モニターは、2軸方式のバリアングル可動に対応しているため、液晶モニターを反転させることも可能です。

 反転させることで、運搬時に液晶モニターに傷がつくことを防止できます。

 パネル面にはCanonのロゴが刻印されています。

 液晶パネルの上にWi-Fiと印字されていますが、この内部にWi-Fiアンテナが内蔵されています。

PowerShot G5X と同等なボディサイズ

Canon PowerShot G1X Mark3 G5Xとの比較

Canon PowerShot G1X Mark3 G5Xとの比較

 PowerShot G5Xとカメラ前面を比較したものです。

 左側がPowerShot G1X Mark3、右側がPowerShot G5Xとなります。

 G5Xに搭載されているイメージセンサーは1型サイズですので、大きさはAPS-Cサイズの1/3程度となりますが、ボディサイズはほぼ同等といえます。

 ボディ前面のインターフェースも同じであり、右下のロゴを隠すと区別がつきにくいかもしれません。

 価格的には2倍の差がありますが、描写性能の違いを考えると、価格差にも納得感があるように思います。

Canon PowerShot G1X Mark3 G5Xとの比較

Canon PowerShot G1X Mark3 G5Xとの比較

 PowerShot G5Xとカメラ背面を比較したものです。

 左側がPowerShot G1X Mark3、右側がPowerShot G5Xとなります。

 こちら側は、ボディ前面以上に似ており、ちょっと見ただけでは区別できないほどです。

 G5Xを使っている方であれば、無理なくG1X Mk3で撮影できると思います。

 G1X Mk3は描写性能がアップしているだけでなく、オートフォーカス性能も別物といって良いほど進化しています。

 PowerShot G5Xは2015年11月に発売開始となっていますので、ステップアップということでもお勧めかもしれません。

操作性は?

キレの良いオートフォーカス

 実機を触ってみて、まず驚いたのは、オートフォーカスのキレが良いことです。

 キヤノンのミラーレスの中で、トップレベルのAF性能を持つEOS M5/M6と同じ実力を持っていることはわかっていましたが、実際に操作してみると今までのコンパクトカメラで感じることがあったモタツキ感がまったくありませんでした。

 ショールームは比較的明るい場所ですので、わざと暗めのところを探したり、望遠端側で近距離と遠距離を交互に撮影したりと、いろいろと試してみましたが、ほとんどのシーンで1発でスッとピントが合焦しました。

 データは持ち帰れませんでしたので、液晶モニターに拡大表示をしただけですが、わかるようなピントのズレもありませんでした。

極めて高い連写性能

 連写設定は、シングルショットに加えて、高速連写と低速連写の設定が可能です。

 高速連写では、AF固定で9.0コマ/秒、AF追従では7.0コマ/秒での連写が可能で、被写体にもよりますが、概ね20コマ程度は連続撮影ができました

 バッファーがフルになった後にも、1コマ/秒程度のペースでカード容量が一杯になるまで連続撮影が可能でした。

 このあたりの使用感は、コンパクトカメラよりもレンズ交換式カメラに近いと思います。




実機を触ってのPowerShot G1 X Mark IIIの総合評価

独断! 素晴らしい!

  • デジタル一眼レフと同等な高い描写性能
  • 広角端F2.8とやや明るい標準ズームレンズを搭載。
  • 最短で10cmまで寄れる高いマクロ撮影能力
  • 高級コンパクトとしてはトップレベルのオートフォーカス性能。
  • EOS Mシリーズと同等なコンパクトボディ。
  • 電子ビューファインダーやタッチ対応バリアングル可動液晶など「全部入り」の高級コンパクト。
  • 防塵防滴性能のカメラ本体。
  • USB端子からのボディ内充電にも対応。
  • 防水ケースなど、豊富なアクセサリーを用意。
  • レンズ交換式カメラと同等な連写性能連続撮影可能枚数
  • キビキビとした操作感

独断! もう一息!

  • 高級コンパクトとしてはやや高めのスタート価格。(今後の推移に期待。)
  • もう少し幅が欲しいレンズ焦点域。(普段使いでは必要十分。)
  • やや視野角の狭い液晶パネルを採用。
  • 外部マイク入力端子は非搭載。
  • 1/2000秒までのシャッタースピード。(一般シーンでは必要十分。3段分のオートNDフィルター内蔵。)

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