ソニー α7RIII ILCE-7RM3 ~オートフォーカスと連写性能を強化した高画素機

ソニー・フルサイズ対応ミラーレスの立ち位置

ソニー・フルサイズ対応ミラーレスの立ち位置

 ソニーからフルサイズミラーレス、α7RIIIが正式発表されました。

 発売は2017年11月25日の予定で、店頭予想価格は税別37万円程度とのことです。

 α7RIIIは、αフルサイズシリーズの中では高画素機の役割を担っており、α7RIIと同様に有効4240万画素の光学ローパスフィルターレス仕様の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載しています。

 他社を含め、フルサイズのレンズ交換式カメラとしては、最高画素数のモデルとなります。

 初代α7Rは2013年11月に、二代目α7RIIは2015年8月に登場しましたので、概ね2年ごとに世代交代を重ねていることになります。

 ちなみに、初代の発売時点での実売価格は20万円前後、二代目は43万円前後でしたので、三代目はやや買いやすい価格でのスタートとなりそうです。




α7RIIIの特長

高画素と連写を両立

 Rシリーズは高画素(Resolution)を重視したモデルのため、連写性能などはノーマルα7と比べてやや劣る部分がありました。

 α7RIIIでは、高画素の特長を保ったまま、α7RIIの毎秒5コマから毎秒10コマへと連写性能が強化されています。

 連続撮影可能枚数も、α7RIIではRAWで23枚、非圧縮RAWで9枚でしたが、α7RIIIではバッファー容量が増やされ、各々76枚、28枚へと大幅に増強されました。

強化された高感度性能と手ぶれ補正機能

 高感度性能も強化されています。

 α7RIIでは、標準でISO25600まで、拡張でISO102400まで対応していましたが、α7RIIIでは標準でISO32000まで対応できるようになりました。

 また、画像処理システムBIONZ Xが新世代のものに進化したことで、ISO800〜3200前後で約1段分、ノイズが低減されているとのことです。

 手ぶれ補正機能も、二代目の4.5段分から5.5段分へと、1段分強化されました。

α9と同等のオートフォーカス

 オートフォーカスについても、α9に準じたものが搭載されています。

 アルゴリズムはα9のものをベースに最適化しており、暗いシーンでのオートフォーカス速度や動体追従性能が、α7RIIの2倍に引き上げられています。

 像面位相差オートフォーカスセンサーも399点に埋め込まれており、画面全体の68%x68%をカバーしました。

 コントラスト・オートフォーカスについても、二代目では25点だったものが、三代目では425点へと多分割化されており、オートフォーカス精度の向上も図られています。

強化された動画撮影機能

 動画は最高で4K(3,840×2,160ドット)/30pに対応しており、画素加算なしで全画素読み出しを行ない、4K映像に必要な画素数の約1.8倍の情報量を凝縮することで、高画質な4K映像を生成できます。

 HDR動画もHLG(Hybrid Log Gamma)に対応しており、ダイナミックレンジと色域が拡がっています。

モアレや偽色をなくす「ピクセルマルチ撮影」を搭載

4枚を連写合成するピクセルシフトマルチ撮影に対応

4枚を連写合成するピクセルシフトマルチ撮影に対応

 新たな機能として「ピクセルマルチ撮影」が可能となりました。

 ベイヤー形式のイメージセンサーでは、原理上、1画素で1つの色の明度しか記録することができません。

 そのため、周辺の色情報を踏まえ展開することで、すべての画素にRGBの情報を記録するのですが、その過程でモアレや偽色が発生する可能性があります。

 新たに搭載された「ピクセルマルチ撮影」では、ボディ内手ぶれ方式機能を活用し、1ピクセルずつイメージセンサーを動かして4枚の画像を記録します。

 得られた4枚の画像情報を合成し、各画素で直接RGBの情報を取り込む方式となります。

 当然、ボディのブレを防止するために、三脚を利用した上でリモートコマンダーを使った撮影が推奨されています。

テンポの良い操作性を実現

 α7RIIでは、連続撮影の後など、データを読み出している間はメニューを使った操作ができませんでした。

 α7RIIIでは改善が加えられ、Fnメニューでの撮影設定変更や再生画面へのアクセス、メニュー画面へのアクセスと設定変更ができるようになりました。

 メモリーカードへの書き込み速度も高速化されており、高画素モデルであるにも関わらず、全体としてテンポの良い撮影が可能となっています。

デュアルSDスロットを搭載

 二代目はSDカードはシングルスロットでしたが、α7RIIIではα9と同様にデュアルスロットが搭載されました。

 1枚目が一杯になったら自動的に2枚目に切り替える「リレー記録」、両方のカードに同時に記録してバックアップを図る「同時記録」、RAW/JPEGや静止画/動画を別々に記録する「データ振り分け」、「メディア間コピー」に対応しています。




α7RIIからどう変わったか?

ボディ正面の比較

ソニー α7RIIIとα7RIIの正面

ソニー α7RIIIとα7RIIの正面

 この画像は、ソニーα7RIII(左側)とα7RII(右側)のボディ正面を比べたものです。

 基本的なデザインは踏襲されているものの、たとえばグリップ部の高さが僅かながら高くなったり、それに伴いダイヤルの傾斜角度が変わったりといった変化があります。

 ボディ右側にあるロゴは、どちらも同じ「7R」となっています。

ボディ背面の比較

ソニー α7RIIIとα7RIIの背面

ソニー α7RIIIとα7RIIの背面

 この画像は、ソニーα7RIII(左側)とα7RII(右側)のボディ背面を比べたものです。

 ボディ正面側とは異なり、背面側のレイアウトは大きく変わっており、α9のインターフェースと同等のものに変わっています。

 目立つところでは、右手の親指があたる部分にマルチセレクターが新設されており、その下のコントロールホイールも大きくなっています。

 ボタンのレイアウトも、動画撮影ボタンをはじめ、変わっています。

 細かいところですが、液晶モニターが右側にシフトされたことで、電子ビューファインダー、液晶モニターの表示位置がレンズ光軸と同軸となっています。

 撮影時のストレスの軽減化が図られています。

ボディ上面の比較

ソニー α7RIIIとα7RII、α9の上面

ソニー α7RIIIとα7RII、α9の上面

 この画像は、ソニーα7RIII(上側)とα7RII(中側)、α9のボディ上面を比べたものです。

 ボディ所面のレイアウトは、α7RIIIとα7RIIとはほぼ同じです。

 注意深く見ると、α7RIIIでは、ボディ部分の厚さが増しています。

 仕様上では、α7RIIの奥行60.3mmに対し、α7RIIIでは62.7mmと2.4mmしか増していませんが、ボディ部分の厚さの違いはもっと大きいように見えます。

 これには、上記に記載したα7RIIIの新機能、4枚を連写合成する「ピクセルシフトマルチ撮影」が影響している可能性もあります。

 ボディ両側面にあるストラップ取り付け部の位置も、α9と同様に前側にシフトされています。

 より重量のあるレンズの装着に最適化したためと思われますが、ボディ内部の部品配置の変更により、重量バランスが前側にシフトしたのかもしれません。




α7RIIIとα9、α7SII、α7IIとの違いは?

α9
ILCE-9
α7RIII
ILCE-7RM3
α7SII
ILCE-7SM2
α7II
ILCE-72
イメージセンサー フルサイズ
有効2420万画素
フルサイズ
有効4240万画素
フルサイズ
有効1220万画素
フルサイズ
有効2430万画素
ローパスフィルター
画像処理エンジン BIONZ X
ISO感度 メカシャッター時
標準100-51200
拡張50-204800
電子シャッター時
標準100-25600
拡張50-25600
標準100-32000
拡張50-102400
標準100-102400
拡張50-409600
標準100-25600
拡張50-25600
シャッター 30-1/8000秒(メカニカル)
30-1/32000秒(電子)
30-1/8000秒(メカニカル)
ファインダー 0.5型368万ドット 0.5型236万ドット 0.5型236万ドット
液晶モニター 3.0型
可動式TFTカラー液晶144万ドット
タッチ対応
3.0型
可動式TFTカラー液晶122万ドット
タッチ非対応
3.0型
可動式TFTカラー液晶122万ドット
タッチ非対応
記録動画 最大4K(3840×2160)
30p
最大フルHD(1920×1080)
60p
連写性能
(RAW+JPEG)
20.0コマ/秒で約222コマ 10.0コマ/秒で約22コマ 2.5コマ/秒で約28コマ 5.0コマ/秒で約23コマ
内蔵フラッシュ
防塵防滴性能
電池 NP-FZ100
約480枚
NP-FZ100
約530枚
NP-FW50
約310枚
NP-FW50
約270枚
大きさ(mm)
幅x高さx奥行
126.9×95.6×63.0 126.9×95.6×62.7 126.9×95.7×60.3 126.9×95.7×59.7
重さ
電池・カード含む
約673g 約657g 約627g 約599g




α7RIIIの評価は?

独断! 素晴らしい!

  • さらに向上した描写性能。
  • フラグシップに準じた連写速度連続撮影可能枚数
  • ブラックアウトのない高精細な電子ビューファインダーを搭載。
  • ミラーレスカメラではトップレベルのオートフォーカス
  • 拡張でISO204800まで対応した高感度性能
  • ダイヤルの増設など、強化されたインターフェース
  • モアレや偽色を抑制するピクセルシフトマルチ撮影に対応。
  • 高速連写時でも無音・無振動の撮影が可能。
  • Wi-Fiや有線LANなど、豊富な接続端子
  • 金属を多用した高級感のあるボディ。
  • 競合機種と比べ、コンパクトで軽量なシステム。

独断! もう一息!

  • ソニーのフルサイズ機の中でも、やや高価。(他社競合製品よりは格安。)
  • 液晶パネルのチルト角度は、下側に41°まで。
  • 望遠レンズ等を使用するときのグリップ感。(純正で縦位置グリップやグリップエクステンション有。)
  • 急速に整備されているものの、さらにレンズラインアップの強化を期待。
  • α9に搭載されたローリングシャッター抑制機能には対応せず。