キヤノン PowerShot G1X MarkIII ~レンズ固定式のEOS M5?

キヤノン PowerShot G1X MarkIII ~レンズ固定式のEOS M5?

キヤノン PowerShot G1X Mark3

 キヤノンのハイエンド・高級コンパクト、PowerShotG1X Mk3が正式発表となりました。

 位置づけ的には、2014年3月に発売開始となった「PowerShot G1X MarkII」の後継機となりますので、3年8ヶ月ぶりでの世代交代となります。

 一番の特長は、ミラーレスやデジタル一眼で一般的に採用されているAPS-Cサイズのイメージセンサーと、24-72mm相当F2.8-5.6の標準ズームを、コンパクトなボディに実装した点です。

 2014年3月に発売となった前機種、PowerShot G1 X Mk2では、一回り小さな1.5型イメージセンサーに24-120mm相当F2-3.9のズームレンズでしたが、Mk3ではボディデザインを含めフルモデルチェンジされており、553gから399gへと大幅に軽量化されています。

 Mk2では、電子ビューファインダーが外付けであったことを考えると、Mk3をMk2と比較してもあまり意味が無いと思えるほど、3年8ヶ月の歳月は大きな意味を持っていたと言えそうです。

 PowerShot G1 X mark IIIの発売は、2017年11月下旬の予定であり、発売日が待ち遠しく感じられるカメラが、また1台現れました。

-->「実機レビュー キヤノン PowerShot G1X Mark3 ~これ1台で十分?」もご参照ください。




PowerShot G1X MarkIIIの特長

APS-Cサイズの大型イメージセンサー

 PowerShotG1XMk3の一番のポイントは、EOS M5やEOS M6、EOS M100と同じ有効2420万画素APS-Cサイズのイメージセンサーを搭載している点です。

 各画素の開口率を向上させるとともに、光電変換効率の良い設計により、標準ISO感度はISO25600まで対応しています。

 前機種のMk2は、有効1280万画素1.5型イメージセンサーでしたので、Mk3ではイメージセンサーサイズは約1.42倍、画素数は約1.89倍、画素あたりの面積は75%程度に小さくなっています。

 しかし、要素技術の向上で、感度は逆に2倍に向上していることは注目に値すると思います。

ミラーレスカメラと同等のオートフォーカス

 PowerShotG1XMk3のイメージセンサーはEOS M5と同じであり、オートフォーカスも像面位相差AF「デュアルピクセルCMOS AF」を搭載しています。

 前世代のEOS M3の「ハイブリッドCMOS AF III」では、撮影シーンによってはコントラスト方式だけでのフォーカシングになったこともあり、デュアルピクセルCMOS AFでオートフォーカス速度は大幅に強化されました。

ミラーレス標準ズームより半段分明るいレンズを搭載

 レンズも新設計の標準ズーム「15-45mmF2.8-5.6」が搭載されています。

 EOS Mシリーズの標準ズームは「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」であり、どちらも24-72mm相当の画角をカバーする3倍ズームとなっていますが、PowerShotG1XMk3の方が広角端、望遠端とも半段分明るいレンズとなっています。

 最短撮影距離も、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMの25cmに対し、PowerShotG1XMk3では10cmとマクロ撮影も可能な接写能力を持っています。

 また、どちらもレンズ内での手ぶれ補正方式ですが、手ぶれ補正効果もEF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMの3.5段分に対し、Mk3では4.0段分と、やはり半段分強化されています。

コンパクトなボディ

 カメラ本体が小型軽量化されていることも、PowerShot G1X MarkIIIの魅力です。

 とくにミラーレスカメラやデジタル一眼レフのサブカメラとして使う場合は、サイズや重さは重要な要素となります。

 撮影がメインの目的ではない、ちょっとした旅行や、ぶらぶらと散歩のお供といったシーンでは、レンズを含めてポケットに入るサイズ感がマッチしています。

 キヤノンユーザーであれば、これまではEOS MシリーズにEF-M22mm F2 STMあたりの薄型レンズを装着するか、少々描写性能は劣るものの1型センサーを搭載したDSC-RX100シリーズやPowerShotG7X、G9X等の高級コンパクト、といった選択であったと思います。

 PowerShotG1X Mk3は、明るめの標準ズームに電子ビューファインダー、バリアングル液晶などの「全部入り」でありながら、ポケットに入れることのできるサイズに収まっています。

 重さも、電池やメモリーカードを含めて400gを下回っていますので、この点もポイントになります。

防塵防滴&水中使用も想定

PowerShot G1 X Mark III用防水ケースWP-DC56

PowerShot G1 X Mark III用防水ケースWP-DC56

 このクラスのレンズ一体型カメラで、防塵防滴性能をもったカメラは、そう多くはありません。

 砂塵や水滴が入りやすい電池室の開閉部、各種操作ボタン周り、鏡筒部にシーリング部材を組み込んでいるとともに、シーリング部材を組み込んでいないダイヤル回転軸などでも部品間の隙間を極力小さくするよう高精度化しています。

 また、オプションで「ウォータープルーフケース WP-DC56」も用意されており、水深40mでの撮影も可能です。

 オールウェザーでのアウトドアカメラとして、レンズ交換式カメラに代わりうるカメラといえます。

上級者向けのインターフェース

 ボタンやダイヤルなどの物理的なインターフェースが充実しているのも、PowerShotG1XMk3の特徴です。

 とくに、電子ビューファインダーを使用しての撮影では、いちいち目で確認しなくても直感的に操作できるかどうかが、使い勝手に大きく影響します。

 ボディ前面の電子ダイヤル、レンズ鏡胴のスムーズリング、液晶モニター右側のコントローラーホイールが設けられ、ボディ正面にはモードダイヤルに加えて露出補正ダイヤルも置かれています。




ミラーレス EOS M5と比較すると?

ボディ前面の比較

PowerShotG1XMk3 vs EOS M5

PowerShotG1XMk3 vs EOS M5 ボディ前面の比較

 EOS M5と並べてみると、意外とデザインテイストは異なっていることがわかります。

 EOS M5では望遠系のレンズを装着することも想定する必要があるため、グリップ部が大きくなっていますが、PowerShotG1XMk3ではレンズ固定式のメリットを活かし、必要十分な形状のグリップが装着されています。

 サイズ面では、ボディの横幅はほとんど同じですが、高さはEOS M5の89.2mmに対し、PowerShotG1XMk3は77.9mmと1cm以上も低くなります。

 また、PowerShotG1XMk3の両肩部がなで肩になっている点や、内蔵フラッシュの形状もよりエッジが効かせてあることも、デザイン面でのアクセントになっています。

ボディ背面の比較

PowerShotG1XMk3 vs EOS M5

PowerShotG1XMk3 vs EOS M5 ボディ背面の比較

 ボディ背面の液晶モニター側では、一部ボタン機能の配置に違いがありますが、ほぼ同じインターフェースとなっています。

 液晶モニターはどちらも3型サイズでタッチ操作にも対応していますが、アスペクト比は異なっており、EOS M5の4:3に対し、PowerShotG1XMk3では3:2の液晶パネルが採用されています。

 記事「ミラーレス~カタログのチェックポイント(その3:液晶モニター編)」でも記載しましたが、アスペクト比が3:2の方が、より大きく撮影画像を表示できるメリットがありますので、一般的な撮影シーンではPowerShotG1XMk3の方にアドバンテージがあるように思います。

 液晶モニターの可動機構にも違いがあり、EOS M5では上下方向(上側に85°、下側に180°)にのみチルト可動するのに対し、PowerShotG1XMk3では三方向に自由に向きを変えることができます。

 そのため、より広い撮影スタイルに対応することができますが、液晶モニターを可動させるとレンズ光軸から位置がずれますので、人によっては使いづらく感じるかもしれません。

 電子ビューファインダーについては、仕様上もほぼ同じものが搭載されています。

 接眼部の右側に接眼センサーが置かれているのも同様です。

ボディ上面の比較

PowerShotG1XMk3 vs EOS M5

PowerShotG1XMk3 vs EOS M5 ボディ上面の比較

 ボディ上面を見ると、PowerShotG1XMk3ではシャッターボタンと同軸にズームレバーが置かれていたりといった違いはありますが、インターフェースは基本的に共通しています。

 ボディ右側にはプラスマイナス3段までの露出補正ダイヤルが置かれており、左側にはモードダイヤルが設けられています。

 どちらの機種も、モードダイヤルの中央にはロックボタンがありますので、意図しないモード変更を防止できます。

 ボディ正面を見ると、PowerShotG1XMk3のボディ厚が薄型化されていることもわかります。このあたりも、レンズ固定式カメラのメリットと言えるかもしれません。

 内蔵フラッシュの上部にはアクセサリーシューも用意されており、外付けのフラッシュが利用可能です。




EOS M5と主な仕様を比べると

PowerShotG1XMk3 EOS M5
イメージセンサー APS-Cサイズ
総画素数2580万画素、有効2420万画素
画像処理エンジン DIGIC7
ISO感度 100-25600
レンズ 15-45mmF2.8-5.6
(24-72mm相当)
EF-Mマウント対応レンズ
シャッター 30~1/2000秒、BULB 30~1/4000秒、BULB
オートフォーカス デュアルピクセルCMOS AF 方式
49点
EV-1~18
ファインダー 0.39型236万ドット
液晶モニター 3.0型
可動式TFTカラー液晶104万ドット
タッチ対応
バリアングル可動
3.0型
可動式TFTカラー液晶162万ドット
タッチ対応
チルト可動
記録動画 最大フルHD(1920×1080)
60p
連写性能
(RAW+JPEG)
9コマ/秒で約16コマ
内蔵フラッシュ GN5
防塵防滴性能
電池 NB-13L
約200枚
LP-E17
約295枚
大きさ(mm)
幅x高さx奥行
115.0×77.9×51.4 115.6×89.2×60.6
重さ
電池・カード含む
約399g 約427g

値頃感は?

 まだ正式発表の直後ですが、現時点では概ね13万円弱の価格で予約が受け付けられているようです。

 前機種となるPowerShotG1XMk2(2014年3月発売開始)のスタート時点が8万円台、ボディデザインが似たPowerShot G5X(2015年10月発売開始)では9万円前後でしたので、それと比べると価格的にはちょっと高めとなっています。

 なお、「EOS M5 EF-M15-45 IS STM レンズキット」(2016年11月発売開始)は12万円台でのスタートでしたので、ほぼ同様の価格帯であると言えます。




PowerShot G1 X Mark IIIの総合評価

独断! 素晴らしい!

  • デジタル一眼レフと同等な高い描写性能
  • 広角端F2.8とやや明るい標準ズームレンズを搭載。
  • 最短で10cmまで寄れる高いマクロ撮影能力
  • 高級コンパクトとしてはトップレベルのオートフォーカス性能。
  • EOS Mシリーズと同等なコンパクトボディ。
  • 電子ビューファインダーやタッチ対応バリアングル可動液晶など「全部入り」の高級コンパクト。
  • 防塵防滴性能のカメラ本体。
  • USB端子からのボディ内充電にも対応。
  • 防水ケースなど、豊富なアクセサリーを用意。
  • レンズ交換式カメラと同等な連写性能連続撮影可能枚数

独断! もう一息!

  • 高級コンパクトとしてはやや高めのスタート価格。(今後の推移に期待。)
  • もう少し幅が欲しいレンズ焦点域。(普段使いでは必要十分。)
  • 外部マイク入力端子は非搭載。
  • 1/2000秒までのシャッタースピード。(一般シーンでは必要十分。)