成長するミラーレス市場、縮小するデジタル一眼レフ市場

 2008年にミラーレスカメラが登場してから、そろそろ10年になります。

 当初、それまでのレンズ交換式デジカメ、デジタル一眼レフからミラーレスカメラへの移行が急速に進むとみられていましたが、いまだ、レンズ交換式デジカメ市場ではデジタル一眼レフが市場の中心を占めています。

 しかし、市場の動向を注意深く見ると、着実にデジタル一眼レフからミラーレスカメラへの移行が進んでいることがわかります。

 ここでは、カメラメーカを中心とした業界団体であるCIPA(一般社団法人カメラ映像機器工業会)の公表しているデータを元に分析してみました。

CIPA統計情報からみるミラーレス市場の動向




4年で半減したデジタル一眼レフの出荷台数、ほぼ横ばいのミラーレス出荷台数

レンズ交換式カメラ出荷台数推移

レンズ交換式カメラの出荷台数推移

 このグラフは、デジタル一眼レフとミラーレスカメラの出荷台数(全世界)の推移をみたものです。

 まずわかるのは、デジタル一眼レフの出荷台数が急速に減っているということです。

 2012年には、約1620万台のデジタル一眼レフが出荷されていましたが、4年後の2016年には約845万台へとほぼ半減しています。

 ミラーレスカメラも、2012年の約396万台から2016年の316万台へと概ね8割程度に減少していますが、近年は台数ベースでは横ばいに近くなっていることがわかります。

 その結果、レンズ交換式カメラ市場において、台数ベースで見たミラーレスカメラの占有率は4年間で2割から3割に急増しています。

出荷金額も半減したデジタル一眼レフ、成長が続くミラーレス

レンズ交換式カメラの出荷金額推移

レンズ交換式カメラの出荷金額推移

 こうした傾向は、金額ベースで見るとさらに明らかとなります。

 デジタル一眼レフは、2012年には約6279億円の出荷金額でしたが、2016年には3701億円へと4年間で6割以下に減少しました。

 これに対し、ミラーレスカメラは、約1252億円から約1494億円へと、4年間で2割の成長を示しています。

 デジタル一眼レフ市場が成長期から成熟期へと移行していると言われている中で、ミラーレスカメラ市場はまだまだ発展を続けていることが、統計状況からもわかります。

販売単価もミラーレスが逆転

レンズ交換式カメラの販売単価推移

レンズ交換式カメラの販売単価推移

 もう一つのポイントは、1台あたりの単価が、この4年間で逆転したと言うことです。

 デジタル一眼レフは、この4年間で3万8千円程度から4万4千円程度へと13%程度単価が上昇しています。

 ミラーレスカメラの上昇率はさらに高く、3万2千円程度から4万7千円程度へと50%近く単価が上がっています。

 すでに、2016年時点での販売単価はミラーレスカメラの方がデジタル一眼レフを上回っており、より高付加価値のカメラが多く出荷されていることを示しています。

 噂情報ではありますが、ニコンはフルサイズに対応した新たなミラーレスカメラをリリースしようとしています。

 キヤノンも、ミラーレスカメラにフルサイズのイメージセンサーを搭載しようとしています。

 市場動向を見ると、こうした噂情報が、おそらく正しいことを示していると思います。




急減する中で、高付加価値モデルにシフトしているコンパクトカメラ

コンパクトカメラの市場動向

コンパクトカメラの市場動向

 全体に高付加価値モデルへとシフとしていることは、レンズ一体式のコンパクトカメラについても見ることができます。

 このグラフは、コンパクトカメラの出荷台数と出荷金額、単価を示したものです。

 出荷台数は4年間で7,798万台から1,258万台へと約1/8に、出荷金額も7,150億円が1,907億円へと約1/4に市場が縮小していることがわかります。

 原因は言うまでもなく、スマートホンの普及により、コンパクト性を重視しただけのデジカメが市場から淘汰されてきているからです。

 しかし、他方で出荷単価は急速に上昇しています。

 2012年に9,200円だったものが、2016年には1万5千円へと4年間で65%も単価が上がっています。

 このことは、メーカー各社が、いわゆる高級コンパクトカメラなどの高付加価値モデルへと商品ラインアップを急転換していることを数値でも示しています。