富士フイルム X-E3 ~シンプルな小型軽量機

富士フイルム X-E3
富士フイルム X-E3
 9月7日に正式発表となった「富士フイルム X-E3」が、本日9月28日に発売開始となりました。

 発売開始時点の実売価格は、カメラ本体で11万円台、標準ズームレンズXF18-55mmF2.8-4 R LM OISが付属したレンズキットで15万円程度となっています。

 2013年11月に発売されたX-E2の発売時点の実売価格は10万円前後、同じ標準ズームの付いたレンズキットで14万円台でしたので、概ね1万円程度のアップとなりますが、カメラ自体の進化を考えると、妥当な値付けだと思います。

 なお、この標準ズームは、単体では5万円台で購入できますので、レンズキットでの購入の方がお得感はあります。

 ただし、2017年2月に発売開始となったX-T20では、発売開始時の実売価格は概ねX-E3と同じでしたが、現時点ではカメラ本体は8万円台、レンズキットでは10万円台で購入できますので、予算に制約があるようでしたら、しばらく様子を見るのも良いかもしれません。

 X-E3の位置づけは、X-Pro2の下位機種であり、富士フイルムミラーレスカメラXシリーズの中では、X-T20と並ぶエントリークラスの製品となります。

 X-E3やX-Pro2のボディは、四角い本体の左上部に電子ビューファインダーを内蔵するデザインとなっているのに対し、X-T2やX-T20では、電子ビューファインダー部をボディ中央に設置している点が異なっています。

 どちらのデザインを選ぶかは好みによるところですが、X-T20タイプはレンズ光軸上に電子ビューファインダーの接眼部が設置されますので、自然に撮影することができます。

 他方でX-E3タイプでは、ボディ全体のコンパクト化が可能であるとともに「いかにも本格的なカメラで撮影している」感が薄まるかもしれません。




X-E3の特徴は? 徹底的に分析する。

 それでは、富士フイルムの新型ミラーレス、X-E3はどういったカメラなのか、特徴を見ていきたいと思います。

描写力は上位機種と同じ

 これは、富士フイルムミラーレスの特徴ですが、価格面を最優先したX-A3を除き、現行機種は「X-Trans CMOS IIIセンサー」を搭載しています。

 有効画素数2430万画素のAPS-Cサイズのセンサーですが、富士フイルム独自の構造として、非周期性の高い原色カラーフィルターとなっています。

 通常のカラーフィルターは、縦横2コマ、計4コマを単位にGGRB(グリーン2コマ、レッドとブルー)に並べ、得られた色情報を画像処理エンジンで補完し、4コマの各々にRGBの色情報を持たせます。そのため、周期性のある画像では、偽色やモアレが発生する可能性が高くなります。

 富士フイルムの原色カラーフィルターは、カラーフィルターの単位を縦横6コマ、計36コマとすることで、非周期性を高くしています。これにより、ローパスフィルターなしでも偽色やモアレの発生が抑制されます。

 画像処理エンジンも「X-Processor Pro」を搭載しており、X-Pro2やX-T2、X-T20と基本的に同じ描写力となります。 

整理されたインターフェース

左から、富士フイルム X-E3、X-T20、X-Pro2の液晶右側操作部
左から、富士フイルム X-E3、X-T20、X-Pro2の液晶右側操作部
 X-E3の特徴の一つが、インターフェース部分が整理されたことです。

 この写真は、液晶モニターの右側操作部で、左からX-E3、X-T20、X-Pro2となります。

 上位機種であるX-Pro2や、兄弟機とも言えるX-T20と比べると、X-E3ではデジタルカメラで一般的な十字キー部分が省略されており、シンプルな形状となっています。

 基本的な操作は、液晶右側にあるフォーカスレバーと液晶画面を使って行うことになります。十字キーのあるX-T20には、フォーカスレバーがありませんので、このクラスの機種ではどちらかを設定するのかもしれません。

 ボディ上部のインターフェースはX-Pro2と同じで、シャッタースピードと露出補正の2つのダイヤルが右側に置かれています。X-Pro2では、シャッタースピードダイヤルの中にISO感度設定ダイヤルが設置されているなど、若干違いはありますが、概ね同じです。

コンパクトでシンプルなボディ形状

 X-E3は、電子ビューファインダーを省略したX-A3よりも、サイズは僅かながら大きいものの、重さは逆に軽くなっています。電子ビューファインダーを内蔵したXシリーズということでは、「最コンパクトモデル」であり、突起部のないスクエアな形状と相まって、持ち運びに適したミラーレスと言えます。




X-T20との選択のポイントは?

 X-E3の選択に当たっては、兄弟機的な存在であるX-T20と比較される方も多いのではないでしょうか。

 X-T20は本年2月に発売開始となりましたので、半年の違いはありますが、カメラとしての基本性能もほぼ同じです。X-E3では、オートフォーカスのリフレッシュレートが30回/秒に高速化されるなどの強化がされていますが、これについては他機種においてもファームウェアのアップデートで対応の予定です。

 X-20にあって、X-E3では省略されているものとしては、

  • ボディ上面のモード&ドライブダイヤル(X-E3は液晶部上側にドライブボタン有)
  • 液晶部右の十字ダイヤル(X-E3はフォーカスレバー有)
  • 内蔵フラッシュ

 逆に、X-E3にあってX-T20には無いものは、

  • 液晶部上側のドライブボタン
  • 液晶部右側のフォーカスレバー
  • Bluetooth

 となります。

 結論から言えば、この両機種はボディデザインの好みで選んで良いと思います。

 一眼レフのデザインが好きであればX-T20を、よりカジュアルに撮影を楽しみたいのであればX-E3といったところです。

 X-E3は、小型軽量なボディデザインが魅力であり、集約されシンプルなデザインは、高級感も感じさせます。

 ただし、純粋に撮影面だけを見れば、やはりレンズ光軸上に電子ビューファインダーを設置したX-T20の方が、安定的に写真を撮ることが可能であると思います。

 X-E3では、電子ビューファインダーの接眼部がボディ左上部に設置されていますので、とくに右目が利き目の方は、店頭でカメラを構えてみることをお薦めします。

 また、発売開始時点が半年早いこともあり、価格面ではX-T20の方にアドバンテージがあります。ただし、この点については、ある程度時間がたてば同等レベルへと収れんしていくものと思われます。

X-Pro2から、なにを諦め、なにを得られるのか?

 X-E3はX-Pro2の下位機種となります。

 X-Pro2が発売開始となったのは2016年3月であり、すでに1年半以上が経過していますが、それでも発売開始時のX-E3よりも5万円以上の価格差があります。

 そのため、実際に購入時に比較検討の対象にはならないと思いますが、それでも上位機種であるX-Pro2との違いを見ることは役立つのではないでしょうか。

 X-Pro2にあって、X-E3では省略されているものとしては、

  • アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー
  • 1/8000秒まで対応したメカニカルシャッター(X-E3は1/4000秒まで)
  • 防塵防滴ボディ
  • ダブル・メモリースロット

 逆に、X-E3にあってX-Pro2には無いものは、

  • コンパクトなボディ
  • Bluetooth
  • 液晶モニターのタッチ操作
  • 電子シャッター時の高速連写(14コマ/秒)

 となります。

富士フイルム X-Pro2 アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー
富士フイルム X-Pro2 アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー
 両機種の一番の違いは、やはり「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー」搭載の有無と言えます。

 光学ファインダーと電子ビューファインダーを融合したファインダーは、富士フイルムだけの特長です。

 高級コンパクトカメラX100シリーズで採用されたこのファインダーに魅せられて、X-Proシリーズを選択される方も、決して少なくないと思います。

 また、防塵棒適性を持った高級感のあるボディは、カメラを持つ喜びを感じさせてくれます。




X-E3の総合評価

独断! 素晴らしい!

  • 上位機種と同じ高い描写性能
  • ブラッシュアップされたオートフォーカス性能。
  • 多彩なフィルムシミュレーション機能を搭載。
  • コンパクトで軽量なボディ。
  • シンプルで高級感のあるボディ・デザイン。
  • 実用上十分な連写性能連続撮影可能枚数
  • 強化されたスマートフォン連携機能

独断! もう一息!

  • フラッシュは非搭載。(外付けでの対応。)
  • 固定式の液晶モニター。
  • やや気になる十字ボタンの省略。