マイクロフォーサーズ陣営の騎手

ミラーレスカメラの市場シェアをレンズマウント別に見ると、一貫してトップの座を占めているのは、マイクロフォーサーズとなります。


マイクロフォーサーズはオープン規格ですが、カメラ本体をリリースしているのは実質的にオリンパスとパナソニックの2社であり、両社が中核となって規格を支えています。


同じレンズ規格ではありますが、オリンパスとパナソニックとでは、微妙にカメラの方向性が異なっています。その意味では、マイクロフォーサーズ陣営として共通する部分と、オリンパス独自部分の両方をしっかり見ることが必要です。



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フォーサーズ規格から発展したマイクロフォーサーズ

マイクロフォーサーズは規格名の通り、4/3型サイズのイメージセンサーを搭載しています。35mmフルサイズのイメージセンサーのちょうど1/4の大きさで、同じ焦点距離のレンズを使うと、画角は1/2となります。たとえば、14-42mmのズームレンズは、35mmフルサイズ換算では、28-84mmのレンズと同等の画角を持っています。


APS-Cサイズで、レンズの焦点距離を換算するには1.5倍、1型では同じく2.7倍であるのに対し、マイクロフォーサーズは2倍と、フィルムカメラを使っていた方にとっては比較的わかりやすい規格であるといえます。


このイメージセンサーは、もともとはデジタル一眼レフ用に開発されたものです。2002年に発表されたフォーサーズ規格で採用したセンサーサイズであり、オリンパスのE-1やパナソニックのDMC-L1、ライカからはDIGILUX3なども発売されています。


フォーサーズのコンセプトは、デジタル一眼レフの将来を見据えイメージセンサーに最適化するとともに、レンズを含めたシステム全体をコンパクト化し機動性を与える、というものです。ちなみに4/3型イメージセンサーは、フィルム時代の110規格とほぼ同等のサイズであり、デジタル版の110システム、といっても良いかもしれません。

ミラーレスシステムへの対応

しかし、時代は大きくミラーレス化へと動き始めていました。レンズ固定式のコンパクトデジタルカメラは、最初から「ミラーレス」であり、まさに「レンズ交換化した高級コンパクト」に対する期待が高まる中、2008年に発表されたのがマイクロフォーサーズ規格です。


マイクロフォーサーズ規格では、フランジバック(イメージセンサーからレンズマウントまでの距離)を38.67mmから20mmに短縮するとともに、レンズマウント自体も内径46mmから40mmへと一回り小型化されています。これによりカメラシステム全体が小型化され、フォーサーズ規格が重視した「機動性」もさらにアップしました。


マイクロフォーサーズ規格に基づく最初のカメラは2008年10月にリリースされたパナソニック Lumix DMC-G1ですが、これは同時に最初のミラーレスカメラでもあります。

オリンパスのカメラとレンズ

カメラ
レンズ
2017年
2016年
OM-D E-M1 Mark II
PEN E-PL8
PEN-F
M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
2015年
OM-D E-M10 Mark II
AIR A01
OM-D E-M5 Mark II
M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
2014年
PEN Lite E-PL7
OM-D E-M10
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
BCL-0980
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
2013年
OM-D E-M1
PEN E-P5
PEN Lite E-PL6
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II
2012年
PEN mini E-PM2
PEN Lite E-PL5
OM-D E-M5
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
BCL-1580
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
2011年
PEN mini E-PM1
PEN Lite E-PL3
PEN E-P3
PEN Lite E-PL2
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ
M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R
M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R
M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8
2010年
PEN Lite E-PL1s
PEN Lite E-PL1
M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II
M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7
M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6
2009年
PEN E-P2
PEN E-P1
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6

軽量コンパクトなミラーレスから上級クラスまで

オリンパスのミラーレスカメラの特徴は、フルラインアップで品揃えがされているという点です。


オリンパスがミラーレス市場に参入したのは2009年ですが、翌2010年まで、フォーサーズ規格に基づくデジタル一眼レフをリリースしていました。


それまでは、上級機はデジタル一眼レフのEシリーズ、エントリーやサブカメラとして、ミラーレスのPENシリーズという役割分担を行っていましたが、2012年にOm-D E-M5のリリースで、すべての製品ラインをミラーレスカメラでカバーすることが正式に表明されました。

ハーフサイズのフィルムカメラ、オリンパスPENのミラーレス版で参入

olympus PEN E-P5
オリンパスPENシリーズ

オリンパスのミラーレスは、コンパクトなボディデザインを重視したPENシリーズと、電子ビューファインダーを内蔵したOM-Dシリーズによって構成されています。


OM-Dシリーズが出るまでのPENは、中核機であるE-Pシリーズ、よりコンパクト性を重視したE-PLシリーズ、コンパクトなE-PMシリーズといったラインアップでした。


OM-D E-M1がリリースされた後は、PENシリーズは全体的にコンパクトモデルへとシフトする傾向が示されていますが、たとえばPEN-Fのように電子ビューファインダーを内蔵したハイエンドモデルもリリースされるなど、各々のモデルラインの特徴を活かした製品展開といえます。

電子ビューファインダーを搭載したOM-Dシリーズ

OLYMPUS OM-D E-M5
OLYMPUS OM-D E-M5

もう一つの製品ラインがOM-Dシリーズです。


ハイエンドとなるE-M1、ミドルクラスのE-M5、ファミリー層をターゲットとしたE-M10の3つの製品ラインが展開されており、すでにE-M1とE-M5は2世代目、E-M10は3世代目がリリースされています。今後も、新たな技術を搭載した新世代機が順次出てくることが予想されます。


オリンパス OM-D E-M10 MarkIII フラグシップ機と同じ画像処理エンジンのエントリー機

OM-DとPENの選び方

よく聞かれる質問に、「OM-DシリーズはPENシリーズの上位機ですか?」というものがあります。一見すると、一眼レフカメラのデザインをまとったOM-Dの方が本格的なカメラに見えますが、その割には価格面で逆転している部分も有り、迷うのかもしれません。


確かに、オリンパスの製品ラインの中で、フラグシップモデルがOM-D E-M1であることは間違いありませんが、シリーズとしてみた場合、OM-DとPENとの間に上下関係があるわけではありません。


フィルム時代の一眼レフの遺伝子を引き継いだOM-Dシリーズと、コンパクトカメラの遺伝子を引き継いだPENシリーズといった表現が適していると思います。